今回は、そろばんをこれから始めたいという方に向けて、私が現役のそろばんの先生にインタビューしてきました。
そろばんを始める時に、気になることや上達する方法など、そろばんを習ってみて初めて気づくようなことを質問して、回答をいただきましたので、参考にしていただければと思います。

今回、インタビューさせていただいた先生は、小学校の教員を退職後、日本珠算連盟に加入している学習塾に勤めている先生です。
インタビューで質問した内容は
・そろばん教室の選び方
・ゴールまでのロードマップ
・独学について
・教材について
・成績アップのポイント
・これまでそろばんをやってよかったこと
・生徒さんの学業成績
そろばんの先生になぜインタビューをしたのか
そろばんはプレイヤーと先生との立場では、そろばんの授業を受ける側と指導する側では、見いているところが違うと思います。
そのため、先生の立場では、どのようなことを生徒に気にかけているのか気になったためです。
もちろん、今回インタビューした先生は、小学生から大学生までの間、そろばんにプレイヤーとして携わってきたそうですが、その後は、先生としてご活躍しています。
そのような中で、プレイヤーと先生とでは、どのような考え方があるのか聞いてきました。
先生になるとそろばん連盟のことも知ることができる
そろばんをプレイヤーとして、ずっと行っていると意外と知られていないことがインタビューしてわかりました。
それは、そろばん連盟のことについてです。
全国珠算教育連盟(全珠連)と日本珠算連盟(日珠連)とは数あるそろばん連盟の中でも伝統的で格式のある連盟です。

そろばん連盟のことについては、今回、インタビューさせていただきた先生も、そろばん連盟について、初めて知ることが多かったようです。
当サイトでも、そろばん検定の種類を紹介している記事を投稿していますが、先生に聞いて初めてわかったこともありました。
それがわかることによって、そろばん教室の選び方が変わってきます。
そろばん教室の選び方として、月謝も含め、周囲の友達などさまざまな理由で選ぶことがあります。
しかし、インタビューをして、一番大切なことは、そろばん教室を経営する人がそろばん連盟に加入しているかどうかがとても大切になります。
なぜ、そろばん連盟に加入する必要があるのか
そろばん教室といっても、中には、そろばん連盟に加入していない教室もあります。
決してそろばん連盟に加入していないことが悪いことではないのですが、そろばん連盟に加入していないことによって、資格を取得する上で不利になる場合があります。
そのため、これからそろばん教室を選ぶ場合には、以上の点を確認しておく必要があります。
そろばん連盟に加入することによって資格が有利に働くメリットがある
そろばん連盟に加入している教室でそろばんを習うことによって、そろばんの受験できる科目、回数が増えるというメリットがあります。
また、そろばん連盟に加入しない教室は、検定の種目が5種目(珠算・暗算・読上げ珠算・読上げ暗算・フラッシュ暗算)あるうちの2種目(珠算・暗算)しか申し込みができません。※各種目の段位検定は受験可能
統一試験
まず、3級以上はそろばん連盟加入・未加入の教室に関わらず、商工会議所に申し込んで受験できる「統一試験」というものがあります。
実施月は「2月・6月・10月」の偶数月
随時試験
随時試験は、4級までの試験であれば、そろばん連盟に加入している教室の先生の下で習っている生徒であれば そのそろばん教室内で検定が可能です。
実施月は、偶数月の年6回(2月・4月・6月・8月・10月・12月)
反対に、そろばん連盟未加入の教室で受験する場合は、通常の統一試験で受験するしかありませんので、進級できる可能性は、半分になります。
その点でそろばん連盟未加入の教室は、進級するまでにどうしても時間がかかってしまうというデメリットがあります。
そろばんをゴールまでたどり着くためのロードマップ
次に、そろばんをゴールまでたどり着くためのロードマップについてご紹介します。
そろばんの先生にこの質問をした理由として、これからそろばんを始める人は、何を目的にどのようなことをやっていくべきか導き出したいと思ったからです。
私がそろばんを始めた目的は、当サイトでもご紹介している通り、右脳の活性化によるイメージ・想像力を身につけるためのトレーニングの一環としてそろばんを始めました。
珠算式暗算は芸術脳といわれる右脳でそろばんの珠をイメージして計算します。そのため暗算が上達すればするほど右脳は活性化し、鍛えられます。
もちろん、中には資格を取得して、中学・高校受験や就職活動を優位に進めたいという人もいます。
そろばんのゴールをどこに設定するのか
先生の話でもありましたが、そろばんのゴール設定の多くは、資格よりも右脳の活性化をゴールの設定をしている生徒さんが多いようです。
そして、資格取得はずっと継続することによって、後から付いてくる「付属、おまけ」という感覚で行っています。
しかし、第一前提として、そろばんを継続するために「そろばんって楽しい」と思ってくれる生徒が増えてくれるために尽力しているとのことでした。
そろばんを独学で始めるにはどこからがおすすめでしょうか?
そろばんを独学で習得したいと考える人は少なくありません。
しかし、独学でそろばんを始めても、結果的に時間がかかるので、あまりおすすめはしていなとのことです。
その理由は、珠の弾き方から指の使い方まで基本がなっていない状態で独学を始めると、後々、つまずきやすく、成績アップまで時間がかかってしまうからです。
そのため、独学を始めるようにするためには、そろばんの基本をしっかりと身につけ、頭の中でそろばんを弾けるようになってからでないと最短で成果を上げるということは難しいようです。
もちろん、生徒さん一人一人の能力値が異なるため、一概に言えないそうですが、やはり、そろばんの基本ができていない状態での独学は大変です。
当然のことながら、本来の目的でもある「右脳の活性化」は、そろばんを頭の中で弾くことができる状態ですので、すでにトレーニングの成果としては、十分な効果が得られていると思いますね。
先生の場合は、そろばんの基本を徹底的に頭に叩き込んでからは、独学で始められるようになったそうです。
年齢的には、中学校に入る頃には、1人で練習ができるようになっていたとのことです。
おすすめの教材はなんでしょうか?
独学を始める上で教材は必要になると思いますが、今回私がインタビューした、そろばんの先生は日珠連に所属している先生です。
そのため、その先生が教室で使用していている教材は日珠連の推薦教材になります。
日珠連公式サイトにも掲載されていますが、
「ホーム」「そろばん教材」「そろばん入門教材」
と進んでいくと、朝日プリント社から出版されている
「それいけ!パチパチランド」
という教材を採用しています。
このパチパチランドの教材にもさまざまな種類がありますが、検定試験を受けるまでの基礎が学べる
「それいけ!ぱちぱちランド 1~6」
の教材に沿ってそろばんを指導しているそうです。
これが終わると初めて、日珠連珠算10級を受験することができるようにしているそうです。
問題集も朝日プリント社から出版している問題集を使用しています。
以下の問題集のシリーズをお求めの方は、朝日プリント社もしくは、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどのECサイトより検索してみてください。

その点は十分ご理解ください。
そろばんの成績アップをするために必要なことは何ですか?
そろばんを最短で習得したいという人にぜひ見ていただきたい内容です。
そろばんを上達するためのコツの一つとして、大切なことは、
筆算や暗算で先に答えを出さないこと
です。
基本は、頭の中でそろばんを弾くイメージをして答えを導き出します。
そのため、暗算や筆算を先に行い、答えを出そうとすると、桁数が増えるとその「先に答えを出そうとする癖」がなかなか抜けずに苦労するとのことです。
だからこそ、独学も含め、そろばんの基本は大切なのです。
そして、生徒さんの多くが小学校低学年でそろばんを始める理由は、計算ができない状態であるため、そろばんを頭の中でイメージしやすいということが言えます。
暗算もそうですが、全てはそろばんを頭の中で弾くことができるかどうかというのが一番重要なことなのです。
上達するための練習方法
そろばんを上達するための最短の練習方法は、
・正しい方法でひたすら練習する
・間違った問題を理解するまで繰り返す
ことです。
先に述べましたが、独学などの誤った方法で練習を積み重ねても最終的には、つまずいてしまいます。
そのため、日々の正しい練習が大切になります。
はじめは、そろばんではじいた答えが違っていても大丈夫です。なりよりも、指使いをしっかりと理解することから始まり、諦めずに挑戦し、自分を信じて壁を乗り越えていくことこそが、初心者がそろばんを上達するためのコツと言えるでしょう。
また、自宅での練習も同様に、正しい珠の弾き方や指の使い方ができない状態で練習することはおすすめしていません。
まずは、週に何度もそろばん教室に通って、そろばんの基本を習得してから自宅での練習をするようにしてください。とのことです。
また、そろばん教室に通う頻度は週に1回では、物足りず、どうしてもせっかく覚えた指の使い方やこれまでできた計算問題ができなくなったりする傾向にあるようです。
そのため、基本ができていない場合には、週に3回ないし4回は通うべきです。
先生が10代の頃は、週に5回は通っていたそうですが、現在は、習い事を掛け持ちしているお子さんも多く、そろばん教室自体も毎日指導しているわけではないようです。
もちろん、そのそろばん教室にもよると思いますのでご注意ください。
先生はそろばんをこれまで何十年とやられていますが、やってよかったことを教えてください。
これからそろばんを始めようとしている人に、そろばんをやるメリットをご紹介しようと思い、この質問をさせていただきました。
回答していただいた結果は、
ということで私が思っていた回答とはだいぶ異なりましたが、やはり計算は楽になります。
しかし、そろばん本来の本質(右脳の活性化)については、
ということでした。
ただ、元小学校の教員ですし、間違いなく成果は出ているのではないでしょうか。
そろばん教室の生徒さんの学業成績はいいですか?
お子さんにそろばんを習わせる上で、気になるのは、学業成績です。
もちろん、そろばんの本質もそうですが、目に見えてわかるのが学校の成績ですので、この点も質問させていただきました。
回答としては、
少なくとも、成績が低い子はほとんどいません。
という回答でした。
そのため、先生の話を聞く限りでは、学校の成績アップにもつながっている印象を受けました。
まとめ
今回は、現役のそろばん先生にインタビューする記事を作成しました。
特にこれからそろばんを始める、興味を持っている人には、ぜひ読んでいただきたい記事です。
私自身プレイヤーとして、そろばんを習ってきましたが、先生と生徒とではそろばんに対する視点がものすごく違うのではないかと痛感した次第でした。
もし、この記事でそろばんに少しでも興味を持っていただけるようでしたら、私がおすすめしているオンラインそろばん教室の記事もご覧ください。
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