この記事では、算盤の正しい読み方と、漢字の由来を解説します。
算盤の正しい読み方とは?
算盤は、正しい読み方だと『そろばん』です。
「そろばん」と読む以外に「さんばん」とも読みます。
「さんばん」は「そろばん」とは全く別の計算道具で、木製の板や紙で作られた盤を用いて、中国数学や和算などの計算に使われていました。
こちらが「さんばん」です。
出典:算盤|Wikipedia
そろばんとは全く違いますね。
算木で行う計算のとき用いる盤を「算盤」(サンバン)と日本では言っていました。中国では算木に用いる盤はなかったようです。
算盤の漢字の由来
古代の中国では数を数えることを「算」と言っており、その数を数える盤で「算盤」となりました。
つまり、
- 算:数を数える
- 盤:台の意味
これらを組み合わせて、算盤=そろばんとなったわけです。
そろばんは唐音「スワンパン」から変化した
なぜ「算盤」を「そろばん」と読むようになったのか。これは中国の唐音である”スワンパン”が訛ってそろばんになった説が有力とされています。
他にも「算」の読み方がsor(ソル)・soun(ソン)という音で、算木で行う際に用いるサンバンと使い分けるために、別の言い方を探して「そろばん」となった説もあります。
算には「sorとかsoun」(ソルとかソン)という音もあり、算木のサンバンと分けるために、「ソルバン」とか「ソンバン」と言って、後に「ソロバン」となったものと思われます。
そろばんと算盤の違い
そろばんと算盤、どちらもそろばんですね。どう違うのでしょうか。
日本珠算連盟のそろばんの歴史が記載されているページによると、このように記載されています。
日本では、玉が串ざしになって桁ごとに整然と並んだ計算具を 「そろばん」といいます。中国では、「算盤」(スワンパン)といいます。
やはり中国では読み方が「そろばん」では無くて「スワンパン」なのですね。日本に伝わる際に、先ほど言ったようにスワンパンが「そろばん」という音に訛って変化したのでしょう。
そろばんは算盤以外にも50以上の当て字あり
そろばんは「算盤」と書く以外にも、50種類以上:58もの当て字が使われていました。
- 十露盤
- 珠盤
等です。
日本国語大辞典:コトバンクでも「算盤」を含む、これら3つの漢字が紹介されています。
十露盤
十露盤は、私のパソコンでも「そろばん」と打って変換した際に候補で出るので驚きました。松江重頼が寛永15年(西暦1638年)に、書物:毛吹草で使用したと言われています。
珠盤
珠盤は、宝暦11年(1761年)に近藤援里が数学夜話で使ったと言われています。
まとめ
算盤の正しい読み方は「そろばん」です。
算盤や十露盤もそろばんと読みますが、現代ではあまり使われていません。
58もの当て字が使われていたとは驚きですね。当初は計算に使う物だったので、このような漢字を当てて何かが分かるようにしていたのでしょうね。
すべての当て字を覚えるのは大変なので、算盤・十露盤=そろばんだけ覚えていればOK!
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