子どもの集中力について徹底解説しています。特に、以下の3点について詳しく紹介します。
- 子どもの集中力はどのくらい続くのか
- 子どもの集中力が続かない原因
- 子どもの集中力を高める方法
お子さんに落ち着きがなく、集中してほしいと感じている方は参考にしてください。
子どもの集中力の持続時間は?
まずは、子どもの集中力の持続時間を確認しましょう。
以下に、集中力が続く時間の目安をまとめました。
年齢 | 集中力が続く時間 |
2歳 | 4~6分 |
4歳 | 8~12分 |
6歳 | 12~18分 |
8歳 | 16~24分 |
10歳 | 20~30分 |
12歳 | 24~36分 |
14歳 | 28~42分 |
16歳 | 32~48分 |
年齢が低いほど短い傾向があります。この数値は、児童発達の専門家が調査を行った結果をもとにしたものです。
調査結果では「子どもの年齢✕2~3分」が、適切な集中力であるという結論が出ています。
児童発達の専門家は一般に、子どもに期待される適切な集中力の持続時間は、その年齢あたり 2~3分であると述べています。これは、典型的な子供が特定のタスクに集中し続けることができる時間です。
引用:NORMAL ATTENTION SPAN EXPECTATIONS BY AGE|Brain Balance(筆者翻訳)
もし、自分のお子さんの集中力が年齢×2~3分よりも短ければ、一般的な持続時間よりも短めである可能性があります。
※このデータは一般的なものであり、個人の興味深さ・周りの環境などの影響で大きく変わります。
子どもの集中力が続かない原因とは?
子どもの集中力が続かない原因は、大きく5つに分けられます。
- 集中できる環境では無い
- 生活習慣が乱れている
- 心が不安定な状態にある
- そもそも好きなことでは無い
- 親が横から口を出す
きちんと集中できる環境が整っていないと、子どもの集中力は続きません。ゲーム機やスマートフォンなど、気が散るものを目に見える場所に置いていませんか。
次に睡眠不足や食事をしないなどの生活習慣の乱れ、これも集中力低下の原因です。特に睡眠不足は、集中力以外にも記憶力・倦怠感など色々な面で悪影響です。また、お子さんの心の状態が安定していない時も要注意です。何か気がかりなことがあるだけで、集中しにくくなります。
取り組むことがそもそも好きなことでは無い場合も、集中し続けるのは難しいです。仕方なく・楽しく取り組むのとでは、過ぎる時間の感じ方が違います。
親が横から口を出している場合も、集中力は続きません。言われたことに意識が行きますし、やっていたことが中断してしまうからです。
子どもの集中力を高める9つの方法
- 良い睡眠をとる
- 集中力を高める食事を取り入れる
- 気が散るものを周りに置かない
- 横で何も言わず見守る
- 15分ごとに小刻みに休憩を入れる
- 時間や目標を決めて取り組ませる
- レベルを下げ、簡単なことからさせる
- 目的を伝える
- 悩みがあるなら聞いてケアする
子どもの集中力を高めるためには、まずその生活環境から考慮すべきです。良い睡眠は基本であり、これは子どもの心身の健康を保ち、集中力を高めるために不可欠な要素です。さらに、適切な食事も重要で、特に集中力を高める食事を意識的に取り入れることが推奨されます。
次に、学習環境の整備についてです。気が散る要素を取り除き、子どもが集中しやすい状況を作り出すことが大切です。そして子どもの取り組みに対しては、過度に干渉せず静かに見守ることで、自主性と集中力を育てることが可能となります。
学習方法についても工夫が必要です。一度に長時間の取り組みを求めるのではなく、15分ごとに休憩を設けることで効率的に集中力を保つことが可能です。
また、難易度の高い課題からではなく、易しいものから取り組むことで自信を持たせ、次第にレベルを上げていくステップバイステップの方法を採ると良いでしょう。学習の目標や時間を明確に決め、それを子どもに伝えることも重要です。
最後に、子どもが抱える悩みや不安に対して耳を傾け適切にケアすることも集中力向上に繋がります。これらの手順を踏むことで、子どもの集中力を効果的に高めることが可能となります。
集中力のある子どもに育てるには?
集中力のある子どもに育てるには、何をやれば良いのでしょうか。
- 幼児期
- 小学1~2年生
- 小学3~6年生
- 中学生~高校生
4つの時期に分けて解説します。
それぞれのお子さんの年齢に合わせて、取り組んでみてください。
幼児期:いろいろな遊びを経験させる
幼児期は、いろいろな遊びを経験させましょう。様々なことに関心が移りやすい幼児期では、歌を歌う・手や足を使って遊ぶなどアクションが伴う遊びが効果的です。
本なども一人で読ませるのではなく、おうちの方が読んであげる方が良いです。仕掛け絵本など、読み進めながらでもわくわく・ドキドキするような本であれば、子どもたちも夢中になって集中するでしょう。
小学1~2年生:興味があることからスタートする
小学1~2年生の場合は、興味があることからスタートしましょう。幼児期に遊んでいたゲームなどをレベルアップするのも、良い方法です。子どもでも興味を持てば自発的に取り組むことができ、集中できることが多いからです。
高学年になるにつれて好き・苦手がはっきり出てくるので、低学年のうちは興味があることから始めて楽しみながら集中力が養うことができます。
小学3~6年生:オンとオフ、メリハリをつける
小学3~6年生になれば、苦手・やりたくないといったことも出てきます。しかしやらないわけにはいかないので、オンとオフでメリハリを付けるようにしましょう。
メリハリを付けるには、タイマーの活用がおすすめ。時間を区切ってしっかりと集中させることで、ダラダラやることを防ぐことができます。
最初は15分程度から始めて、30分・45分・・と徐々に時間を増やしてください。タイマーが鳴ったら途中でも終わって休憩し、オフに切り替えます。<15分勉強→5分休憩>など色々試してみて、自分に合った集中できる最適な時間を探してください。
中学生~高校生:目標を決めて自発的に取り組む
中学生~高校生なら、目標を決めて取り組むと良いです。目標があるだけで何のためにやっているかが明確になり、仮に興味を持たないことであってもやりがいを感じられるからです。
また目標を定めることで、達成のためにどのように進めるべきかなど計画を立てやすくなります。計画を立てるとやるべきことが分かり、集中しやすくなりますね。
目標を達成した時には、脳内ホルモンの一つであるドーパミンが分泌されます。ドーパミンの分泌は、集中力が高まると言われています。目標を立てて取り組むことが、結果的に集中力を鍛えることにも繋がるのです。
仕事がうまくいったり、何かを成し遂げたとき、とてもいい気分に・・(中略)・・これは達成感を得たときに脳内に分泌される、ドーパミンの影響です。
ドーパミンが適度に分泌されているとき、脳は覚醒し、集中力が高まり、すべてに前向きとなる。引用:脳内ホルモンの乱れ|医師 宮沢あゆみのコラム
まとめ
子どもの集中力が続く時間は、個々の性格や周りの環境によって差があるものの『年齢×2~3分』が目安です。
その時間よりも短い場合は、まず集中力が続かない原因を特定して取り除いてください。そして生活環境や心の状態を整え、目標を決めて小刻みに休憩を挟みながら遊び・勉強に取り組みましょう。
興味が無い・楽しくないことに集中させるのは中々難しいことではありますが、子どもたちの気持ちにも配慮しながら自然と集中できるようにサポートしていけると良いですね。
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