そろばんは中学受験で役に立つのか、そろばんの資格を持っていれば有利になるのか、何級の資格を持っていれば内申点が加算されるのかをご説明します。
そろばんは中学受験で役に立つ
結論からいうと、そろばんの資格を取得することで、中学受験が有利にはたらきます。
そろばんの資格が中学受験に役立つパターンは、下記の2つです。
- 内申点が加算される
- 計算問題を早く解ける
内申点が加算される
学校の先生に精通している方からお聞きしたことになりますが、珠算検定3級から内申点が加算される感触があるとのことでした。
ただ、内申点の加算は学校によって異なるとのことです。
また、多くのそろばん検定の中で最も難しいといわれる日珠連の珠算検定の資格が、最も評価が高いと思われます。
計算問題を早く解ける
そろばんは中学受験では役に立たないという意見もあります。
たしかに、中学受験では文章問題や図形など、そろばんだけでは答えを導き出せない問題も出題されます。
しかし、文章問題や図形などの応用問題も、計算ができなければ解けません。そろばんで培った計算能力は、文章問題や図形などの応用問題を早く、正確に解くのに役立ちます。
上の弟は僕とは段違いに算数ができます。たくさんの要因を思いつきますが、差が開き始めたキッカケは母曰く「そろばん」だったそうです。(中略)そろばんをやったことは算数力UPに繋がったと思います。
また、計算ができれば、テストでも良い点数が取れます。その成功体験は、算数・数学に対する得意意識につながり、算数・数学の点数がさらに伸びる要因になりえます。
その他のそろばんの効果は下記の記事で解説しているので、参考にしてください。

この動画では、そろばんで培った計算・暗算の能力を、中学受験で活かすことについて説明しています。参考にしてください。
そろばん検定3級について
そろばん検定3級の内容
内申点が加算される感触があるという、そろばん検定の3級の内容を説明します。
日珠連のそろばん検定3級の内容は下記のとおりです。
- 6桁の足し算の見取り算と足し引きのある6桁の見取り算
- 4桁×3桁の掛け算・小数点の掛け算
- 6桁÷2~4桁の割り算・小数点の割り算
下の動画は、そろばん検定3級の練習をしている動画です。どの程度のものなのか確認してみてください。
また、日珠連3級の問題のPDFファイルへのリンクを貼っておくので、参考にしてください。
そろばん検定3級は小学校3年生くらいで取得する生徒が多い
そろばん検定の3級は、小学校3年生くらいで取得する生徒が多いです。
早い生徒であれば、そろばんを習い始めて1~2年で取得します。もちろん、毎日の練習や、優秀なそろばん教室での授業など、条件がそろっているケースです。
そろばんを習い始めるのは、早ければ早いほど良いといわれています。また、習い始める時期が早いほうが、吸収が早いともいわれています。早ければ年中、年長からスタートする子もいます。
そろばんを習い始める時期については、下記の記事で詳しく説明しています。参考にしてください。


そろばん検定3級を取得しても辞めないほうがいい
そろばん検定3級から内申点が加算される感触があるため、そろばん検定3級の取得や、中学受験をそろばんのゴールに設定している家庭も多いです。
しかし、そろばん検定3級を取得して、そろばんを辞めるのはおすすめしません。
そろばんの最も魅力的な効果は、中学受験で有利になることではなく、「観察力」「想像力」「記憶力」「集中力」などが向上することだからです。
これらの能力は「珠算式暗算」により、右脳が活性化することで向上します。
「珠算式暗算」とは頭の中にそろばんをイメージして、イメージしたそろばんで計算する暗算の方法です。
▲「珠算式暗算」でフラッシュ暗算をおこなう動画
しかし、そろばん検定3級では「珠算式暗算」をおこなうには、まだまだ実力不足です。
そろばんのやめどきは中学受験前後ではありません。
そろばんのやめどきについては下記の記事で詳しく説明しているので、参考にしてください。


そろばん検定は日珠連がおすすめ
先述のとおり、日珠連のそろばん検定試験は、他のそろばん検定試験よりも難易度が高めです。
日珠連は、日本商工会議所共催ということもあり、高く評価されているからです。
そろばん検定の定番ともいえるので、そろばん検定は日珠連のものを受けるようにしましょう。
日珠連のそろばん検定以外に、検定試験の種類が豊富で、力試しに向いている全珠連のそろばん検定もあります。


▲全国珠算教育連盟HP
全珠連の試験は、日珠連の試験に比べて難易度が低いといわれています。
全珠連を含め、日珠連以外のそろばん連盟は日本商工会議所とのかかわりがなく、そろばん検定を独自で主催しています。


全珠連は自分のレベルに合った、得意な試験を選ぶことができるので、自信につなげることもできます。
そろばん検定の日程や申込み方法は下記の記事で説明しているので、参考にしてください。


中学受験前にそろばんを辞める生徒は2~3割
私の子どもがそろばんを習っている教室の先生に、このような質問をしたことがあります。


中学受験前になると、そろばんを辞めて学習塾に集中する学生は多いですか?
すると、以下のように回答していただきました。
国勢調査によれば、小学生の習い事の週当たりの回数は年々伸びています。その支出額が伸びていることも裏付けの要因です。つまり、今どきの小学生は、以前と比べて習い事が忙しいといえます。ただ、習い事の数は世帯所得の影響が大きいので、どの層のデータを取るかによって異なります。
また、当教室では中学受験前、特に小学4年生以降にはそろばんを辞めて、学習塾に集中したいという理由で退会される方が20~30%います。ただ、学習塾と並行してそろばんを習う方も多いです。小学6年生まで在籍して辞める方もいます。
反対に、いざ中学受験の勉強を始めてみると計算力が低いことに気がついて、急いでそろばんを習わせるご家庭もあります。
小学4年生以降には、そろばんを辞めて学習塾に専念する生徒もいますが、反対に、そろばんで計算力を身につけたいと小学4年生以降に入会する生徒もいるようです。
まとめ
そろばんは中学受験で役に立つのか、そろばんの資格を持っていれば有利になるのか、何級の資格を持っていれば内申点が加算されるのかをご説明しました。
そろばんは中学受験において役に立ちますが、内申点加算の目安となりうるそろばん検定3級を取得したからといって、そろばんを辞めるのはおすすめできないというのが結論です。
そろばん検定3級では、そろばんの最も魅力的な効果を得ることができていませんからね。
とはいえ、子どもそろばんを嫌いになってしまっては本末転倒です。親のエゴを押しつけないよう、飴と鞭をしっかり使い分け、そろばんを楽しく習わせることが継続のコツです。
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