フラッシュ暗算のコツと、正しいやり方を解説します。よくテレビなどで見る「フラッシュ暗算ができる人」はどんな手法を使っているのか、その秘密を紹介します。練習方法も解説するので参考にどうぞ。
フラッシュ暗算のコツ・やり方3つのポイント
フラッシュ暗算のコツ・やり方のポイントは以下3点です。
それぞれ解説していきます。
フラッシュ暗算コツ①計算パターンを丸暗記(桁数・口数が少ない場合)
フラッシュ暗算で、桁数や口数(足す回数)が少ない場合は、計算パターンを丸暗記してしまえば、それなりの正解が導き出せます。(例:2+5+1+4=?、など簡単なもの)
8+4=12、5+2=7、10-7=3など、桁数が少ない足し算引き算の答えを問答無用で丸暗記してしまえば、瞬時に正解を言い当てられます。
いろんなパターンの計算を覚えて、何度も繰り返し練習すれば習得できるでしょう。
ただし、このやり方では桁数が増えたときに対応できません。
2桁以上の足し算・引き算・掛け算・割り算のフラッシュ暗算問題に挑戦する場合は「珠算式暗算(しゅざんしきあんざん)」のマスターが必須です。
フラッシュ暗算コツ②珠算式暗算をマスターする
珠算式暗算とは、そろばんを頭の中にイメージして計算する技術です。※そろばん式暗算ともいいます。
「そろばん式暗算」は、珠算業界では一般的に使われている言葉です。ひとことで表現すると、画像イメージで計算することです。具体的には、頭の中のそろばん画像の珠を動かし計算します。
引用:渋谷そろばん教室
珠算式暗算は、そろばんを習った人ができる計算法で、身につけられれば、数字を見て瞬時に暗算できるようになります。
暗算力を向上させるために有効だといわれているフラッシュ暗算。紙に書いてある問題を解くのとは違い筆算で計算することができないので、右脳を使う珠算式暗算の練習になります。
毎日の授業を始める前にしっかりとフラッシュ暗算に取り組み、珠算式暗算力を身につけています。 pic.twitter.com/9CVQD6ohnJ
— 🤏こうやそろばん教室@三条市 (@ir88abacus) October 21, 2020
フラッシュ暗算では、この珠算式暗算を活用するのが一般的です。
フラッシュ暗算ができる人は珠算式暗算を習得している
フラッシュ暗算の世界記録を持つ、早稲田大学の高倉 佑一朗さんも珠算式暗算を身に着けています。
私は1.60秒で世界記録となりました。この計算は、珠算式暗算で行います。(中略)計算の際は、イメージ上のそろばんの玉を動かしていくので、答えが一瞬で出るんです。最後の数字が映し出されたときには、すでに計算は完了しています。
フラッシュ暗算では、1秒以下のハイスピードでどんどん計算が表示されます。通常の暗算では間に合いません。
本格的にフラッシュ暗算をしたいなら、珠算式暗算は必須といえるでしょう。


フラッシュ暗算コツ③反復練習を継続する
フラッシュ暗算をするには、まずは珠算式暗算を反復練習しましょう。
そろばん経験者でも、珠算式暗算に慣れないうちは「頭の中にそろばんなんて浮かばない」「珠の動きのイメージが途絶えて、途中でわけがわからなくなる」といった声もあります。
ですが、反復練習を繰り返すうちに、珠算式暗算は必ずできるようになります。最初は簡単な問題からはじめて、正解率が高くなったら桁数や口数を増やし、少しずつ段階を上げながら練習してみてください。

フラッシュ暗算の練習方法
珠算式暗算が身についたら、あとはフラッシュ暗算の実践を繰り返しましょう。基礎ができている人なら、コツを掴めたらどんどん上達します。
ここからは、フラッシュ暗算の具体的な練習方法(そろばん教室以外での独学トレーニング法)を紹介します。
YouTube動画などで練習
最近はyoutubeなどの動画配信サイトでも、フラッシュ暗算の練習問題が公開されています。ゲーム感覚で、毎日少しずつでもチャレンジしてみると、上達が早まるでしょう。
参考:フラッシュ暗算練習動画
アプリやゲームソフトを使った練習
AppStoreやGooglePlayには、フラッシュ暗算のアプリが配信されています。スマホでいつでもどこでも練習できるので便利です。無料のアプリもあります。
フラッシュ暗算 【 シンプルで使いやすい! 】
フラッシュ暗算検定模試(協会)
日本フラッシュ暗算協会公認の検定模試アプリです。検定試験にも対応しています。
有料アプリなので、欲しい方は購入しましょう。本格的にフラッシュ暗算を学びたい人におすすめです。
フラッシュ暗算(公式)
フラッシュ暗算考案者制作の日本フラッシュ暗算協会の公式ソフトです。
問題は、1桁2口3秒から3桁15口1.2秒までをレベル別に120段階で選択できるようにしました。
ニンテンドー3DSソフト
アプリではないですが、ニンテンドー3DSにフラッシュ暗算のゲームがあるので紹介します。
公益社団法人「全国珠算教育連盟」「日本フラッシュ暗算協会」の検定基準に準拠した問題に挑戦できるゲームです。
日本一レベルの読上算・読上暗算機能が搭載されており、最大16ケタのスムーズな読み上げが可能となっています。
まずは試しにやってみたい人や、空き時間のちょっとした練習をしたい人は、無料アプリで十分でしょう。ただ、フラッシュ暗算検定に適さない問題(繰り上がりのない数字)が含まれている場合があるので注意です。
本格的に学んで、大会などを目指しているなら、日本フラッシュ暗算協会に認可されている有料アプリをおすすめします。
フラッシュ暗算アプリやフラッシュ暗算ソフトのおすすめは以下の記事でもくわしく紹介しています。

フラッシュ暗算検定や競技会に参加するには
フラッシュ暗算検定試験は、そろばん教室が加盟している協会の検定試験を受けましょう。
フラッシュ暗算検定を行なっている連盟は、下記の3つです。
いずれも個人で申し込むのではなく、加盟しているそろばん教室から申し込みます。
なので、日珠連に加盟している教室から日本フラッシュ暗算協会の試験を受けるためには、教室単位で日本フラッシュ暗算協会に加盟する必要があります。
また、日本フラッシュ暗算協会に加盟しているそろばん教室であれば、オンラインで検定を受けることも可能です。
そろばん教室の選び方については、下記の記事を参考にしてください。

フラッシュ暗算のコツ・やり方:よくある質問
ここからは、フラッシュ暗算のコツややり方についてのQ&A、よくある質問と回答をご紹介します。
フラッシュ暗算中は指を動かす?動かさない?
フラッシュ暗算中の指の動きは人それぞれ。
- 空想のそろばんの珠はなるべく動かさず、最終的な珠の配置のみをイメージして計算
- 運指や運珠を最大限に活用してフラッシュ暗算
フラッシュ暗算に正しい解き方はありません。ただ、自分に合った解き方はあります。指を動かすor動かさないは、自身のやりやすい方を選べば問題ありません。
「指を動かして暗算するほうが、やりやすい」という人もいれば「指は動かさず、珠の配置のみを思い浮かべたほうが計算が早い」という人もいます。
フラッシュ暗算に慣れないうちは、指を動かす方法が、そろばんの珠をイメージしやすいのでおすすめでしょう。
フラッシュ暗算日本3位のYouTuber「プロそろばんプレイヤー」さんも、動画内で実際の珠算の指の動きを最速で行い、フラッシュ暗算をされています。(しかも、めちゃくちゃ早いので、必見です)
参考:フラッシュ暗算日本3位の実力を証明しました!
フラッシュ暗算はそろばんなしで、なぜできる?
フラッシュ暗算は「暗算」と名の付く通り、そろばん本体は使いません。ただし、頭の中にイメージしたそろばんは使用します。
イメージのそろばんの珠を思い浮かべながら、本物のそろばんを扱うときの指の動きで計算していくため、そろばんなしでもフラッシュ暗算ができます。
フラッシュ暗算で3桁を計算するコツは?
フラッシュ暗算で3桁を計算するコツは「珠算式暗算(そろばん式暗算)」をマスターし、反復練習を繰り返す――地味ではありますが、これにつきます。
2015年に開催されたそろばんの大会「全国珠算競技大会そろばんクリスマスカップ2015」(日本珠算協会主催)において、フラッシュ暗算3桁の数字15個の和を1.60秒で計算した高倉佑一朗さんは、以下のようにお話されています。
計算は、珠算式暗算で行います。そろばんを学んでいる人たちは、数字を見ると、頭の中にぱっとそろばんの盤面が現れるんですね。
計算の際は、イメージ上のそろばんの玉を動かしていくので、答えが一瞬で出るんです。最後の数字が映し出されたときには、すでに計算は完了しています。
引用:そろばん「フラッシュ暗算」で世界記録 3桁の数字15個の和を1.60秒で計算
フラッシュ暗算はそろばん未経験でもできる?
フラッシュ暗算は、そろばん未経験では難しいでしょう。
1桁~簡単な2桁程度の問題でしたら、ひっ算式暗算や計算工程の丸暗記でなんとかなりますが、繰り上がり・繰り下がりのある2桁計算や、3桁以上の問題になると、ふつうの暗算では時間切れになります。
桁数の多いフラッシュ暗算問題を解くには、珠算式暗算(そろばん式暗算)が必須です。

フラッシュ暗算を大人が学ぶコツは?
大人がフラッシュ暗算に挑戦する場合、そろばんをまったく触ったことがない場合は、まずは珠算における運指・運珠を覚えるために「そろばん教室」で正しいそろばんの扱い方を覚える必要があります。
「昔、そろばんを習っていた」「そろばんの珠の動きは、なんとなくイメージできる」という場合は、フラッシュ暗算の練習アプリなどを利用し、練習を繰り返せば日に日に計算が早くなるでしょう。

フラッシュ暗算のコツ:まとめ
フラッシュ暗算は、珠算式暗算をマスターしているか否かで習得度が変わります。
珠算式暗算が身についていない場合は、まずは「そろばんの基礎(指の動かし方、珠の動かし方)」を正しく身につけましょう。
頭の中にイメージしたそろばんが思い浮かぶ段階であれば、あとはコツコツ練習するのみ。フラッシュ暗算を素早くできるようになれば、計算力アップのみならず、集中力、想像力など「右脳の力」も鍛えられるので、少しずつでもぜひチャレンジしてみてください。
フラッシュ暗算の効果については、以下の記事も参考にどうぞ。

コメント