脳には右脳と左脳があり、それぞれで働きが異なることをご存じでしょうか。
この記事では、右脳と左脳のそれぞれの働きを分かりやすくまとめています。また感情や直感などと関係する機能を持つのは、どちらの脳なのかも確認していきましょう。
記事の後半では、効果的に鍛える・高める方法や脳そのものの構造もお伝えします。
右脳と左脳の働きの違いとは?
大脳・小脳・脳幹、この中で一番大きいのが【大脳】です。
左右対称の臓器であるものの、
- 大脳の右半分・・右脳(右半球)
- 大脳の左半分・・左脳(左半球)
右脳の働き
右脳は主に、『イメージ・感性脳(非言語)』の働きを持つと言われています。
- イメージ・想像する力
- 記憶する力
- ひらめき
- 感情のコントロール
<非言語>という言葉が、まさにしっくりきますね。
映画や音楽を聴いて感動したり音や色などの違いなどが分かるのは、この右脳の働きによるものです。
左脳の働き
反対に左脳は、『言語・論理脳』の働きを持つと言われています。
- 冷静・筋道立てて考える
- 決断する力
- 分析力
- 計算
このように、理的に考えることに長けているのが、左脳です。
周りに影響されることが少なく、自分を客観的に見ることができるという利点があり、リーダーなどにも向いています。
右脳と左脳ではコントロールする部分が異なる
右脳と左脳でそれぞれ働きは異なりますが、どちらにも運動機能の中枢が備わっています。
コントロールしている場所が異なり、右脳は左半身・左脳は右半身と脳とは反対側に影響を及ぼします。もし右脳を痛めしまえば、左半身が思うように動かなくなるのです。
なぜ脳の反対側をコントロールするのかと言いますと、神経が真ん中あたりにある”延髄(えんずい)”を境にして交叉(こうさ)しているからです。これを、錐体交叉(すいたいこうさ)と言います。
髄にはいる直前に錐体交叉(こうさ)によって対側にわたり,対側の脊髄側索を下行しながら脊髄前角の運動神経細胞に接続する。(中略)
錐体交叉(すいたいこうさ)については、このイラストがとても分かりやすいので掲載しておきますね。
引用元:脊髄の機能(1)|看護roo!
右利きの人は左脳が、左利きの人は右脳が活発になる
運動機能だけでなく、各体の部位や感覚神経はすべて脳とは逆です。
例えば右手を動かしているのは左脳からの指令ですし、左手なら右脳です。外部からの刺激も同じで、右手に受けた刺激は左脳・左手に受けた刺激は右脳で受け取るのです。
大部の人は右利きのため、普段は左脳がよく活発に働いているとされます。反対に左利きの人は、右脳が活発に動いています。
右脳を効果的に鍛える・高める4つの方法
左脳は普段から活発に動いているので、左半身を司る右脳を鍛えたい・高めたいというニーズが高まっています。
この記事では、右脳を効果的に鍛える・高める方法を4つお伝えします。ぜひ普段の生活に取り入れて、右脳も活発に動かしましょう。
方法①意識して左手(左半身)をたくさん使うようにする
左手で受けた刺激は右脳で受け取る‥このメカニズムを生かして、左手(左半身)をたくさん使うように意識しましょう。これが1つ目の方法です。
普段が右利きなら、意識しないと左手を使うことはあまり無いですよね。それをわざと、左手でやってみるのです。
脳の学校代表:脳科学者の加藤俊徳氏も、右手しか使っていないと右脳があまり発達しないと書いています。言い換えると、反対の左手を使うことで右脳が発達・活性化するということ。
左手を使えばもっと自分の可能性が開かれる
右利きは、(中略)左利きに比べて右脳を使う機会が極端に少ないのです。すなわち、右利きは、右脳が未発達状態の可能性が高いのです。
(中略)
今日からどちらの手を使うかを決めてから行動に移してみましょう。思わぬアイデアがひらめきやすくなります。
今まで右手でやっていたことを左手に変えてみる
例えば、
- 箸やスプーンを持って動かす
- 字や絵を描く
- ボールを投げる
- 何かを取る
このような普段の生活の中で、右手でやっていることを左手に変えるのです。やってみると、いかに右手(利き手)を使っているかが分かるかと思います。
ハサミや包丁など刃物は左利き用のものを使ったとしても、慣れていないと危険なので注意してください。
方法②間違い探しやパズルなどのゲームで遊ぶ
2つ目は、間違い探し・パズルなどのゲームで遊ぶことです。楽しみながらでも右脳を鍛えられるのであれば、試してみないのはもったいないですよ。
特に間違い探しは、言語では無くて”2枚のイラスト”が描かれています。2枚のイラストを交互に見ながら、どこが違っているかをが探しますよね。これだけで右脳の働きである、ひらめき力や直観力がぐんぐん鍛えられているのです。
また、パズルも全体の完成図をイメージしながらピースを当てはめていく‥という作業が右脳を鍛えるのに効果的です。
右脳を活性化するアプリもある!
右脳を活性化させることができるアプリなどもリリースされています。ゲームで楽しみながら気軽に鍛えられるので、ぜひ挑戦してみましょう。
方法③音楽を聴いてリラックスする
3つ目の方法は、音楽を聴いてリラックスすることです。ただそれだけ?と疑問に思う人もいるかもしれませんね。
おすすめの音楽は、クラシックです。耳から聞こえる音楽にのみ集中して、曲からイメージできる情景などを思い浮かべましょう。
また右脳をトレーニングするための、専用の音楽(BGM)も販売されています。興味がある方は、ぜひ購入してみてください。
Blain Music:右脳のトレーニング音楽|e-onkyo music
方法④絵を見たり、描いたりする
4つ目の方法は、絵を見たり・描いたりすることです。絵を見ることで、意味や作者の意図などを考え・想像することで右脳が働きます。
絵を描くときのポイントは、以下の2つ。
- 見たままをそのまま描くようにする
- 静かなところで描く
見たままをそのまま描くようにする
どうしても上手に描きたいという思いが出てきますが、まず『見たままをそのまま』描くように意識してください。
風景はまだしも、人の顔や物などをそのまま描くのはとても難しいですよね。そんな時にちょっとしたコツがあるので、ご紹介します。
わざと逆さまに置き直してみてください。人の顔の絵なども、そのままだと左脳が”顔”と認識して上手く描きにくくなるのです。そこで逆さまにすることで、”顔”とは認識しにくくありのままを描くことができるでしょう。
だまされたと思って、試しにやってみてください。完成図はいつもよりも上手に描けているはずです。
静かな場所で描く
また絵を描くときは、必ず静かな場所を選んでください。人がたくさん話しているような空間だと、人の言語を気にしてしまい反対に左脳が働いてしまうためです。
最低でも人の声は聞こえないところがベスト。何か音が無いと‥という人は、歌詞が無いクラシック音楽をBGMとするのもおすすめ。
音楽を聴く行為そのものがイメージ力・ひらめき力を増やすので、一石二鳥です。
脳そのものの構造を知ろう
右脳と左脳の働きにどのような違いがあるか、ご理解いただけたでしょうか。最後に、脳そのものの構造を知りましょう。
脳は外側から見た際に、大きく分けて
- 大脳
- 小脳
- 脳幹
これら3つに分類することができます。
脳は、大脳・小脳・脳幹に大きく分けることができる。脳|Wikipedia
引用元:脳の仕組み、働き|高次機能障害の全て:交通事故サポートセンター
それぞれどういう役割があるのか、簡単にまとめました。
大脳
脳の中で一番大きな割合を占める「大脳」は、最も発達した部分です。大脳の中でもさらに、前頭葉・頭頂葉・側頭葉・後頭葉の4つの部位に分けることができます。
物を作る・考える・決めるなどの知的な働きの他に、
- 前頭葉・・運動機能、人間らしさ(高次機能)
- 頭頂葉・・知覚(触覚や痛み、深部感覚など)
- 側頭葉・・記憶、聴覚と味覚の認識
- 後頭葉・・人や物を認識、視覚野
4つの部位では、それぞれこのような働きがあります。感情のコントロールも、この大脳が行なっているんですね。
小脳
主に立つ・座る・歩く・走るなどの運動機能をコントロールしているのが、小脳です。
前に歩くという指令から大脳から出ると、まっすぐに立っているか?バランスが取れているか?などの体中の筋肉に細かく指令→きちんとできるように調整する役割を担っています。
この小脳が損傷してしまうときちんとできる指令が出ないので、動作がぎこちなくなる・上手く歩けなくなるなどの障害が現れます。
脳幹
脳幹は一本の幹でありながら、視床・視床下部・下垂体から成り立つ「間脳」と中脳・橋(きょう)・延髄の4つの部位で構成されています。
- 間脳・・ホルモンにより全身の臓器の働きを調整、体温を一定に保つなどの働き
- 中脳・・音の刺激で眼球や体を動かす働き
- 橋(きょう)・・顔の神経や味覚・触覚などの働き
- 延髄・・消化、呼吸中枢や心臓中枢などがあり、生命維持に欠かせない機能を担う
このように私たちが生きるために必要な心臓の動きや呼吸、食べたものを消化する器官で消化するなど、生命を維持するために非常に重要な働き・仕事をしているところが脳幹です。
まとめ
- 右脳・・想像力や直感力などのイメージ脳
- 左脳・・分析や計算などの言語・論理的脳
このように右脳と左脳ではそれぞれ違う働きがあり、錐体交叉(すいたいこうさ)によりコントロールする場所が左右逆です。
右脳を鍛えるには、反対側の左手を意識して使ったりパズルなどのゲームでトレーニングする方法があります。
右脳を鍛えるトレーニングをしたからといって、左脳が衰えるわけではありません。右脳を活性化したいと思っている人はぜひ取り入れていただき、左右の脳をバランスよく鍛えましょう。
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