この記事では、そろばんを始めるのに必要な道具を紹介します。そろばん教室で習うのか、独学で学ぶのかで、用意する道具が違うので、それぞれご説明します。また、そろばんを売っている場所や、メンテナンスの方法もお伝えします。
そろばん教室で習う場合に必要なもの
そろばん教室でそろばんを習う場合に必要なものを紹介します。
もちろん、鉛筆と消しゴムを入れる「筆箱」と、通塾用の「バッグ」も必要ですが、ここでは割愛します。
教室によって必要なものが違う場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
例えば、そろばんは教室が用意してくれる場合もあります。

教材はそろばん教室が用意してくれるケースがほとんどなので、はじめから教材を買う必要はありません。
そろばん
そろばんの相場は3,000~4,000円です。ずっと使うことを考えるとリーズナブルだといえます。
桁数は23桁がおすすめ

23桁のそろばん
そろばんは23桁のものを買いましょう。
そろばんには13桁、23桁、27桁のものがあります。13桁だと桁数が少なく、27桁だと初心者には難しいです。特に、13桁のそろばんは買い替える必要が生じる可能性があるので、23桁のものをオススメします。
試験においても、答えが23桁以上の問題は出てきません。23桁のそろばんがあれば問題ありません。
珠の材質は木製を選ぶ
13桁のそろばんや、安価なそろばんは、珠がプラスチック製であることがあります。そろばんを本格的に始めようと考えている方は、そろばんの珠はかならず木製のものを選んでください。
プラスチック製の珠は弾くときに引っかかりやすく、必要以上に滑りやすい(滑りにくい)ので使いにくいのです。
引用元:稲葉谷珠算教室
木製の珠には、茶色の「カバ珠」と黄色の「ツゲ珠」の2種類があります。初心者~上級者まで幅広く使われているのが「カバ珠」、上級者が使っているのが「ツゲ珠」というイメージがあります。
とはいえ、どちらを選んでも問題ありません。オーソドックスなそろばんがよければ茶色の「カバ珠」を、上級者が使う「ツゲ珠」に慣れたいというのであれば「ツゲ珠」を選びましょう。
ワンタッチ機能はなくてもいい
そろばんには、ワンタッチ機能つきのものもあります。
ワンタッチ機能というのは、そろばん上部のボタンを押すと珠がリセットされる機能です。
ワンタッチ機能があればご破算がすぐにできるため、1秒を争う試験など、上位の段になればなるほど重宝されます。
初めからワンタッチ式のそろばんを使う人もいれば、ご破算などの基本的な動作をしっかりと身につけるために、普通のそろばんから始める人もいます。
ワンタッチ機能はあったほうがいいけど、最初はなくてもいい機能です。
ワンタッチそろばんについては下記の記事で詳しく説明しています。

子ども用そろばんは不要
「子ども用そろばん」を買う必要はありません。
「子ども用そろばん」とは桁数が少なく、色分けされているオモチャのようなそろばんです。子ども用そろばんの対象は2~3歳です。
そろばんを習い始めるのは5~6歳ごろから良いと言われていますし、子ども用そろばんを長く使うことはないので、初めから23桁のそろばんを買うことをおすすめします。
そろばんを始める年齢については下記の記事で詳しく説明しています。

そろばんケース
そろばんを入れるケースも必要です。そろばんを使わないときはケースに入れておかないと、湿気による痛みや故障の原因になります。
専用のケースが望ましいですが、手作りのケースでも無いよりはずっといいです。そろばん教室では手作りのケースを使っているお子さんもたくさんいます。
そろばんのケースには「ソフトケース」と「ハードケース」があります。
「ソフトケース」の材質は布製、ビニール製、レザー製などです。どの材質でも問題ありませんが、雨の日に濡れても大丈夫なように防水加工のケースを選ぶといいでしょう。
「ハードケース」は防水性に優れているものが多く、ソフトケースよりも衝撃に強いのが特長ですが、値段は高いものが多いのが難点です。前述のワンタッチそろばんはボタンの機構を守るため、ハードケースが望ましいといわれています。
最初は防水加工のソフトケースがおすすめです。
文鎮
習字で使うような文鎮ではなく、そろばん用の短い文鎮があります。
そろばん用の文鎮は、初めから必要なものではありません。珠算検定試験などを受験するときや、試験の練習をするときに使います。
なぜ文鎮が要るのか。それは、試験や大会などの問題用紙が、半紙のように非常に薄いからです。文鎮を置かずに問題を解こうとすると、紙が滑ってズレてしまいます。
タイムロスに繋がるので、そろばんには文鎮が必要なのです。
ちなみに、習字用の文鎮は大きすぎ、重すぎます。楽天などのネット通販で安く買えるので、そろばん用の文鎮を用意しましょう。
鉛筆と消しゴム
そろばんで答えを書くときは、シャープペンシルではなく鉛筆を使います。
なぜ鉛筆を使うのか。それは、そろばんの問題用紙は薄いので、シャープペンシルだと破れてしまう可能性があるからです。
また、長い鉛筆だと、鉛筆を握りながらそろばんの珠を弾いたとき、鉛筆が珠に当たって動いてしまう可能性があるため短い鉛筆が使われます。
短すぎても使いにくいので、10cm程度の長さの鉛筆が使いやすいです。
3.鉛筆
手でにぎって少し出る10cmくらいの長さのもの5本以上。
◆新しい鉛筆では長過ぎるので、使って短くなった鉛筆を持ってきてください。
また、ロケットペンシル(鉛筆)を使っている人もいます。そろばん用のロケットペンシルがあるんです。
ロケットペンシルは、鉛筆のように削る手間・時間がかからないこと、削りカスが出ないことがメリットです。
以上が、そろばん教室で学ぶのに必要な道具です。
当サイトでは、そろばん教室の選び方なども紹介しているので参考にしてください。

また、最近ではオンラインで学べるそろばん教室もあります。通塾・送迎の必要がなく、時間の融通が利きやすいので、人気が出てきています。
下記のページでは、オンラインそろばん教室を比較して紹介しているので参考にしてください。


そろばんを独学で学ぶ場合に必要なもの
そろばんを独学で学ぶには、「そろばん教室で習う場合に必要なもの」でお伝えした「そろばん」「そろばんケース」「文鎮」「鉛筆と消しゴム」に加えて、下記のものが必要です。
そろばんの教材
そろばんを独学で学ぶなら、教材はかならず必要です。
教材は、そろばんの使い方を説明した「本」や、そろばんを使って練習する「ドリル(問題集)」、ビデオ通話で先生に教えてもらったり、動画やeラーニングで学べる「オンラインそろばん」等があります。
「レッスンタイプ」のオンラインそろばん
一番オススメなのが、「レッスンタイプ」のオンラインそろばん教室です。本だとわかりにくいところも、先生がビデオ通話で教えてくれるので、わからなくてつまづくことは、ほとんどありません。
自分では気づかない悪いところも指摘してもらえるので、そろばんが身につくのも一番早いでしょう。
レッスンタイプのオンラインそろばん教室は「よみかきそろばんくらぶ」がおすすめです。
タイプ | レッスンタイプ |
---|---|
月謝 | 完全個別コース(1名):13,200円 セミ個別コース(2名):8,800円 グループ個別コース(4名):4,400円 |
月事務費:1,100円(1科目、週1回) | |
入会費 | 11,000円 |
授業回数 | 週1回 |
マンツーマン | あり(完全個別コース) |
対象年齢 | 3歳から |
レッスンタイプのオンラインそろばん教室の中でもリーズナブルで、しっかりと教えてくれるコスパの良いオンラインそろばん教室です。
「自習タイプ」のオンラインそろばん
教材を使って自分で学習する「自習タイプ」のオンラインそろばん教室もあります。本だとわかりにくいところも、自習タイプの「オンラインそろばん」であれば動画やeラーニングで確認できます。
YouTubeなどの動画サイトにもそろばんの講座動画はありますが、動画のクオリティはピンキリ、動画を探す手間・時間もかかりますし、後述のとおり「人によってやり方が異なる」というデメリットがあるので、教材はできるだけ同じところだけにしたいです。
自習タイプのオンラインそろばんは「おおぞらパス(佳日そろばん教室)」がおすすめです。
教室名 | おおぞらパス(佳日そろばん教室) |
---|---|
タイプ | 自習タイプ |
月謝 | 3,980円 |
入会費 | なし |
対象年齢 | 「上の玉ひとつで5」と認識できる年齢から |
月額3,980円と、他の教材と比べるとちょっと高めですが、クオリティの動画が見放題なので「本格的にそろばんを始めたい。でも独学で学びたい」という方にピッタリです。
他の自習タイプのオンラインそろばん教室や、レッスンタイプのオンラインそろばん教室は、下記のページで紹介しているので参考にしてください。


そろばんの本
日本珠算連盟の公式サイトの「そろばん入門教材」ページで、そろばんの本が紹介されています。
手に入りにくいものもあるので、楽天市場やAmazonで買える、おすすめのそろばんの本を紹介します。
下記の2冊は、とても評判のいいそろばんの本です。
いちばんわかりやすい そろばん入門
「いちばんわかりやすい」と題されているだけあって、とてもわかりやすいです。掛け算・割り算は、暗算ができるようになる方法で解説されています。
段位の取得や、そろばんだけではなく暗算もできるようになりたいという場合におすすめの一冊。
かならずわかる! はじめてのそろばん
こちらも、とてもわかりやすいと評判の一冊です。
対応しているのは3級までなので、ひとまず3級までを目標としている方におすすめ。
そろばんのドリル(問題集)
そろばんのドリル(問題集)は、まずはページ数が少ないものをオススメします。
独学では、モチベーションの維持がとても大変です。いきなり分厚いドリル(問題集)を買ってしまうと、長続きしません。
まずは、基本問題しか載っていない薄いドリル(問題集)を解くのがいいでしょう。自信もつきやすく、継続しやすいです。
日本珠算連盟の公式サイトの「そろばん入門教材」ページでは「パッチートレーニング」が紹介されています。
また、日珠連に加盟しているそろばん教室の先生と対談したときに、教室で実際に使っているテキストを紹介して頂きました。
下記のページで紹介しているので参考にしてください。

インターネット環境
インターネット環境があれば、YouTubeなど動画サイトのそろばん講座動画を見ることができます。
そろばん教室の先生や、段位を取得している方も動画をアップロードしており、足し算・引き算のやり方などの講座動画もたくさんあります。
ただし、掛け算・割り算は、人によってやり方が異なるので注意しましょう。教える人のそろばんのスキルによって、教え方が違うこともあります。
そろばんのやり方は、全員がまったく同じというわけではありません。いろいろな人の動画を見て学ぶ場合、その違いに自分で気づき、やり方の取捨選択が必要になります。
スマホアプリ
そろばんを学ぶことができるスマホアプリもあります。
学習や練習が気軽にできるので、そろばんを独学で学ぶ人の役に立つでしょう。
ほとんどのアプリが無料で使いやすいのですが、検定試験問題の練習になるかは別です。目的に合った使い方をしましょう。
スマホアプリは、初心者に役立つものが多いです。
そろばん入門
「足し算引き算」「かけ算」「わり算」の3つを独学で学べます。どれも無料です。App内課金で広告を削除することができます。
そろばんを1から覚える初心者のためのそろばん教室
無料のアプリです。App内課金で広告を削除することができます。そろばんの基本を独学で学ぶことができますが、アプリの操作性はあまりよくありません。
そろばんドリル
そろばんのドリル(問題集)です。日珠連・全珠連の検定試験に対応しており、実物のそろばんを使うことも、画面のそろばんを使うこともできます。
教材の選び方や、自宅で練習する方法は、下記のページで詳しく説明しています。参考にしてください。

そろばんはどこに売っているのか
オンライン化が進み、そろばんを置いている店舗は少なくなりました。
今は「楽天市場」や「Amazon」など、ネット通販で買うのがおすすめです。
そろばんの桁数、珠の材質など、そろばんの選び方はすでにお伝えした通りですが、買う前にかならずレビューを読みましょう。
すべてのレビューを鵜吞みにはできませんが、参考になるレビューもたくさんあります。
実績のないところから買うのは不安だという方は「トモエそろばん」などの専門店から購入することをおすすめします。
100円ショップのそろばんはやめておく
結論から言うと、100円ショップのそろばんはやめておいたほうがいいです。
値段相応の品質なので、使いにくいです。変な癖がつく前に、しっかりとしたそろばんに買い替えたほうがいいでしょう。
100円ショップのそろばんは桁数が13桁なので、いずれ買い替える必要が生じます。
ただ、そろばんに興味を持たせるための、子どものおもちゃとしては悪くありません。
そろばんの手入れ・メンテナンス方法
そろばんも長く使っていると痛んできます。珠がスムーズに動かなくなることが多いです。
珠の動きが悪くなるのは、竹の軸が湿気で膨張したり、珠と竹の間に脂が溜まるのが原因です。
そろばんは木でできていますので、水を含んで竹、玉の穴が膨らんでしまい、玉が動かなくなってしまいます。
これらの問題を解決するのに「すべり粉(すべらし粉)」というものがあります。
そろばんのすべり粉(すべらし粉)とは
「すべり粉(すべらし粉)」とは、そろばんにまぶして馴染ませることで、珠の滑りが良くなる粉のことです。
すべり粉(すべらし粉)も「楽天市場」「Amazon」など、ネット通販で買うことができます。
安いものだと100~200円で買うことができますが、ベビーパウダーや片栗粉などで代用することもできます。もちろん、そろばんのことを考えれば、すべり粉(すべらし粉)を使うのが望ましいです。
そろばんは湿気に弱い道具です。普段からこまめにブラッシングして、専用のそろばんケースに入れて保管することが、そろばんを長持ちさせる秘訣です。
初心者に予備のそろばんは必要ない
初心者に予備のそろばんは必要ないと思います。
不良品を除き、大切に扱えば、そろばんはすぐに壊れるようなことはありません。
検定試験の前など、壊れて困る状況であれば、予備のそろばんを買っておいたほうがいいですが、基本的には壊れたら買い替えるくらいで問題ないでしょう。
まとめ
この記事では、そろばんを始めるのに必要な道具を、そろばん教室で習う場合と、独学で学ぶ場合とに分けてご紹介しました。
そろばんを売っている場所やそろばんの選び方、メンテナンスの方法もお伝えしました。
そろばんを始めるのに必要な道具や、そろばんの選び方、メンテナンスの方法などは、そろばん教室でも相談に乗ってくれるケースが多いです。
オンラインのそろばん教室であれば、メールやLINE、Zoom等(教室によって違う)で相談できます。検討中のそろばん教室があれば、相談してみましょう。
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