そろばんを上達するためには基礎を学ぶ必要があります。
特に初心者の人は、そろばんの名前や指の使い方がわからない人はほとんどだと思います。
だからこそ、初めのうちにしっかりと基礎を学ぶ必要があるのです。
初めのうちにしっかりと基礎を学ぶ理由としては、そろばんに限らず、何事でもそうですが、基礎・基本を疎かにしてしまうと後々苦労するからです。
そろばんで言えば、昇級・昇段の試験を受ける時、ある時全くと言っていいほど通用しなくなってしまうことが例として挙げられます。
そうならないよう、そろばんの始める前に、そろばんの部位の名称や指使い、練習方をこのページでご紹介します。
このページの基礎は国語で例えるのならば、「ひらがな」「カタカナ」のような簡単なことをご紹介しています。
そろばんの部位の名称と役割
そろばんの部位名称と役割を解説していきます。
そろばんは珠算とも言われます。珠算の珠はここから来ています。そろばんをパチパチとはじく部分が珠になります。
別名、五珠や天の珠とも言います。名前の通り、一つの珠で5を表します。上珠は梁の上に一つしかありません。
別名、一珠や地の珠とも言います。名前の通り一つの珠で1を表し、下珠は梁の下に全部で四つあります。(例:下珠三つで3、下珠一つで1、上珠一つと下珠四つで9を表します)
縦の棒で上珠と下珠を貫いているいわゆる「軸」になっている部分です。桁は通常奇数で構成されており、そろばん教室で使われるスタンダードなそろばんは23桁あります。最近では持ち運びに人気な15~17桁のコンパクトなそろばんも人気があります。
別名、脊とも言います。建築で使われる梁と同じように、横向きで平行に使われる部品です。上珠と下珠の間にある横軸の部分が梁になります。
そろばんのまわりのフチのことです。黒や濃い茶色のことが多いです。
梁にある点のことです。いわゆる「カンマ(コンマ)」と呼ばれるものです。
そろばんはとても大きな数まで計算するので、梁には定位点が複数存在しています。
定位点から左に進むと一桁上がることになります。
例えば定位点を0とすると左に一つ進むと1桁上がり、右に進むと小数点を表します。
そろばんで計算問題を始めるときの両手の位置
次にそろばんを始める時の両手の位置を解説します。
- 左手をそろばんの枠に添えてそろばんが動かないように固定します。
- 右手の親指と人差し指以外の指を閉じて(グーの状態)、親指と人差し指でなにか物を摘むような形にします。
- 右手をいずれかの定位点から3桁右の位置(0の位)に置いて完成です。
鉛筆は②の位置にする時、あらかじめ右手に握っておきます。
そろばんにまだ慣れていない場合は鉛筆を握らずそのまま③の位置に右手を置いてください。都度鉛筆を握り直すのはタイムロスになりますので、そろばんに慣れてきたら鉛筆を持ちながら計算できるように練習しましょう。
そろばんで使う指は親指と人差し指 その役割とはじき方
そろばんで主に使用するのが親指と人差し指です。
親指は主に下珠を上に上げるのに使います。
人差し指は上珠を上下する時、もしくは下珠を下に下げるのに使います。あとは定位点を確認する場合もあります。
そろばんは基本的に右手を使って計算をします。ですので、左利きの方も右手で計算できるように練習することをおすすめします。そろばんの性質上、桁数が大きくなるほど左側に珠をはじいていく事になります。そろばんは右手を使って計算する前提のものなので、左手での計算には不向きなのです。
そろばんで右を使ったとしても、左で字を書いている以上、全く矯正にはあたらないと考えます。ピアノもPC(のタイピング)も左を使いますが、そのレベル
引用:右で弾くことは、右への強制なのか?(そろばん塾ピコ)
親指と人差し指のはじき方がそろばん上達のカギになる
先述したように、そろばんでは親指と人差し指の使い方がとても重要になります。逆を言えば上手く2つの指を動かすことができれば、驚くほどそろばんの上達スピードが上がります。そこで、そろばんが上達するおすすめの親指と人差し指のはじき方の練習方法をご紹介します。
- 左手の親指の腹と右手の人差し指の腹を合わせます。
- ①のまま、左手の人差し指の腹と右手の親指の腹も合わせます。
- ①の指を一度離して②の指の上で合わせ直します。次に②の指も同じように一度離して①の指の上で合わせ直します。(常に上へ上へと指を合わせ直していきます)
- ③を繰り返します。
両手の指先で∞の形を作り続けるようなイメージです。この時、指と指が離れる瞬間をできる限り短くするのがポイントです。この動きはそろばんをはじく親指と人差し指の動きにかなり近いものになります。この動きがスムーズにできる様になると実際にそろばんを触った時も同じように指が動いてくれるので、指の動かし方によるミスを減らすことに繋がります。
そろばん無しでいつでもどこでも練習することができるのでぜひ試してみてください。
そろばんの珠の数え方1~9まで
次はそろばんの珠の数え方について解説していきます。
梁の上にある珠を上珠と呼びます。上珠は梁の上部分に一つだけあり、一つで5を表します。梁の下にある珠を下珠と呼び、下珠は梁の下部分に四つあり、一つで1を表します。
上珠を下方向(梁の方向)にはじくと5を表し、上方向(梁とは逆の方向)にはじくと0を表します。
下珠は上方向(梁の方向)にはじくと1~4を表します。下方向(梁とは逆の方向)に四つの珠を全てはじくと0を表します。
1~9までの珠の数え方は以下の通りです。
- 下珠一つ
- 下珠二つ
- 下珠三つ
- 下珠四つ
- 上珠一つのみ(下珠無し)
- 上珠一つ+下珠一つ
- 上珠一つ+下珠二つ
- 上珠一つ+下珠三つ
- 上珠一つ+下珠四つ
1の場合、下珠が一つだけ上方向にはじかれている状態になります。9の場合、上珠が下方向にはじかれ、下珠が四つ全て上方向にはじかれている状態になります。
1桁の足し算
次に1桁の足し算を解説していきます。
実はそろばんの足し算は意外とシンプルなので、初心者でも慣れてしまえば簡単にできるようになります。
上珠を下にはじきます。下珠を一つ上にはじいて終わりです。上珠は一つしか無いので難しくないと思います。
上珠一つで5を表しますが、繰り上がりと繰り下がりの珠の動かし方を理解する必要があります。まず下珠を三つ上にはじきます。次に「2」ですが、下珠は全部で四つありますが、すでに三つ上にはじいているので珠が足りません。一旦ここで「2を5にするには3が必要」か、「3を5にするには2がペアになる」ということをイメージします。大切なのは様々な「5の組み合わせ」をイメージすることです。例えば1+4=5、2+3=5、3+2=5といった感じです。
ですので、既に三つ上にはじかれた珠を全て下にはじいて何もはじかれていない状態(=0)にし、上珠を下にはじくことで完成します。
まず上珠を一つ下にはじき、次にを下珠を二つ上にはじき「7」を表します。下珠は二つ使っているので「4」を足すにはどうすればいいでしょうか。先程の「5の組み合わせ」と同じように次は「10の組み合わせ」をイメージしてみましょう。「4が10になるためには6が必要」です。ですので、既に「7」をそろばん上に置いてありますが、その内の4のペアである「6」をはじく必要があります。上珠一つを上へ、下珠一つを下へそれぞれはじきます。(下珠が一つだけ上へはじかれている状態=「1」を表します)そして十の位の下珠を一つ上にはじきます。これでそろばん上には下珠が一つずつ上へはじかれて、2桁並んだ状態「11」になるはずです。この動きが「繰り上がり」を表します。
1桁の引き算
引き算も基本的に足し算と同じ考え方です。例題で解説します。
見たままで分かりやすい引き算です。下珠を二つ上にはじき「2」を表します。「1」を引きたいので下珠を一つ下へはじいて完成です。
これは「5の組み合わせ」を使った考え方です。まず上珠を一つ下にはじき「5」を表します。次に、「1」を引きたいと思いますが下珠はなにも置かれていません。上珠から「1」を引く必要があります。ここでも足し算と同じで「1が5になるためには4が必要」と考えます。ですので、上珠を上にはじき1のペアである「4」を下珠を四つ上にはじくことで表します。
これは「10の組み合わせ」を使った考え方です。まず十の位の下珠を上に一つはじき「10」を、一の位の下珠を二つ上にはじき「2」をこれで「12」を表します。次に「4」を引きたいと思いますが一の位の下珠は残り二つしかありません。「4が10になるためには6が必要」です。ですのでまず十の位の下珠一つ(10)をはらいます。「4のペアは6」なので一の位に「6」を足してあげます。上珠を下にはじき、下珠を一つ上へはじいて「6」を表します。既に下珠が二つ上にはじかれている状態なので、上珠が下へはじかれている+下珠が三つ上へはじかれている「8」の状態で完成です。
そろばんの問題は普通の計算問題と異なる点がある
そろばんの問題は普通の計算問題(筆算など)とは少し違います。
見取り算を例にして解説していきます。見取り算とは足し算と引き算を上から順に計算していく種目です。
例えば、以下の様な形になります。
847
452
974
164
—
2,437
そろばんの問題は特に記載が無ければ足し算を表します。上の例題の答えは、2,437です。
引き算がある場合は、以下の様な形になります。
120
355
-254
-53
—
168
この場合、まず120+355=475となり、475-254=221-53=168となります。
かけ算や割り算は筆算のような形ではなく、横に問題が書かれているだけになります。
例題:12×34=408、12÷4=3といった具合です。
まとめ
このページでは、そろばんの部位の名前や指の弾き方、練習方法などの基礎をご紹介しました。
そろばんの基礎は、ページ冒頭でもお伝えした通り、とても重要で、間違った基礎を覚えてしまうと、なかなか癖が抜けなくてってしまい、後々苦労してしまいます。
そのため、初心者の方々には、真っ白のキャンパスの状態で基礎を覚えていくのがいいかと思います。
最初は指の使い方など思うように動かないことがあるかと思いますが、そろばんは練習して覚えていくものですので、徐々に慣れてくるはずです。
それでは、初心者から中級者へ上達するためにたくさん練習しましょう。
「そろばんはまだ手元にないけど、珠の使い方を覚えたい」という場合は、そろばんアプリでの学びもおすすめです。
そろばん教室へ入る前に、そろばんの基礎を予習したい場合は「そろばん本」もご検討ください。
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