そろばん検定6級と3級には壁があり、難易度が上がって難しいといわれています。この記事では、そろばん6級とそろばん3級が難しいのはなぜか? 珠算6級・珠算3級の難易度レベルや合格のコツを紹介します。
そろばん6級が難しい理由と対策
まずは、そろばん6級が難しいと言われる理由や、そろばん6級に受からないときの対策方法について見ていきましょう。
そろばん6級の難易度(試験概要と合格率)
<そろばん6級と7級の試験概要を比較>
そろばん6級 | そろばん7級 | |
試験内容 | みとり算(10題) かけ算(20題) わり算(20題) | みとり算(10題) かけ算(10題) わり算(10題) |
試験時間 | 30分 | 20分 |
合格基準点 | 210点以上 (300点満点) | 120点以上 (200点満点) |
合格率 | 非公表 | 非公表 |
珠算検定7級と6級の内容を比較すると、問題数や試験時間、合格点基準点が跳ね上がっていることが分かります。
日珠連そろばん6級の合格率は非公表ですが、7級受験時よりも問題量を正確に解き続ける集中力が必要となるため「そろばん6級は難易度が急に上がる」というイメージが持たれやすいです。
そろばん6級の壁
そろばん6級の壁となるのは「割り算」です。6級からは割り算問題の割る数が「2桁」になり、「還元算」をしなければ解けなくなります。
「割る数が2桁になると、そんなに難しいの?」と思う人もいらっしゃるかもしれませんが還元算は、そろばん初心者からしたら非常に高いハードルになるのです。
慣れない還元算が出題される中、試験問題の総数は増え試験時間も長くなる、集中力の維持が大変、なおかつ合格点のボーダー値も跳ね上がる……、と難易度レベルが急上昇する点がそろばん6級の大きい壁となります。
そろばん6級に受からない時の対策
そろばん6級に受からない時は、還元算・割り戻しを丁寧に学習しましょう。還元算とは計算を進めていく中で引くことができない状況が発生する状態を指します。
還元算の仕組みを理解し、解き方をマスターすることが6級に合格する必須条件になります。割り算の計算方法や練習問題(例題)は以下の記事で詳しく解説しています。
そろばん3級が難しい理由と対策
ここからは、そろばん3級が難しいと言われる理由、そろばん3級に受からないときの対策方法について見ていきます。
そろばん3級の難易度(試験概要と合格率)
<そろばん3級と4級の試験概要を比較>
そろばん3級 | そろばん4級 | |
試験内容 | みとり算(10題) かけ算(20題) わり算(20題) | みとり算(10題) かけ算(20題) わり算(20題) |
みとり算 | 10口60字 | 10口50字 |
試験時間 | 30分 | 30分 |
合格基準点 | 240点以上 (300点満点) | 210点以上 (300点満点) |
合格率 | 約50%↑ | 非公表 |
そろばん3級からは合格率が公表されており、平均して50%超の受験者が珠算検定3級に合格しています。「そろばん3級は2人に1人しか突破できない」と考えると、確かに珠算3級はなかなかハイレベルな検定試験であるといえそうです。
※そろばん4級までの合格率は公表されていません。
そろばん4級までは210点以上で合格できましたが、3級は240点以上取らないと合格できません。見取り算の字数も増えるため、短い時間でより正確な回答をはじき出す実力や集中力を身につける必要があります。
そろばん3級の壁
そろばん3級の壁は「少数点の計算」「見取り算」「試験時間の短さ」です。
少数点の計算は0.00と計算する数以外のものが入ってきて見かけ上難しく感じ、多くの人が苦手意識を持ちます。
加えて、見取り算の口数は増えるのに試験時間は30分のまま。問題の難易度は上がるのに、合格に必要な点数もなぜか高くなる――と越えなければいけないハードルがたくさん。
- 小数点で苦戦していると、試験時間が終わってしまう
- 見取り算の桁数が多すぎて、数字を間違えてしまう
- 割り算で割り切れず、四捨五入をしなければならない問題が出てくる
- 集中力がもたない
などなど、そろばん3級の壁に対する悩みは尽きません。
そろばん3級に受からない時の対策
そろばん3級に受からない時は、まず最初に「小数点の計算が苦手なのか?」「見取り算が苦手なのか?」「試験時間が足りないのか?」など、うまくいかない原因を明確にしてみてください。
そろばん3級が難しいと感じる原因さえ分かれば、あとは対策するのみ。小数点が苦手な場合は、基礎のテキストに戻って理解を深めましょう。そろばん教室に通っている場合は、先生にしっかり指導してもらうのがおすすめです。
見取り算が苦手な場合は、正確に、なおかつスピーディに解くために問題に慣れ、繰り返しの練習が必要。地味ですが、何度も見取り算の練習問題を繰り返すうちにコツがつかめ、長い桁数を弾くのにも慣れてきます。
試験時間が足りない場合は、計算スピードを上げる必要があります。対策は、模擬試験問題を実践さならがに時間をはかって問題を解いてみましょう。珠算検定3級の過去問は、日本珠算連盟の公式ホームページにも掲載されています。
そろばん6級と3級の取得目安は何年生?
そろばん6級、そろばん3級の取得目安は何年生か?については、一概にはお伝えしにくいです。そろばん教室に週何回通うか?はじめた年齢は何才か?日珠連か全珠連か?など、勉強時間や個人の習得スピードによっても変わります。
「当サイトの見解です」と前書きした上で、キーポイントとなる珠算検定6級と3級の取得目安を挙げると、
- 小学1年生から習い始めた場合
→6級取得は「2年生」、3級取得は「4年生」 - 小学2年生から習い始めた場合
→6級取得は「3年生」、3級取得は「4~5年生」
上記の取得目安はあくまでも指標で、そろばんの習得スピードが速い子は、小学校2~3年時でそろばん3級に合格してしまうこともあります。
しかし、このようなスピードで合格する子はほんの一握りなので、あせって珠算検定を受けまくるのではなく、自分のペースで着実に学習するのがおすすめです。そろばんは何才からはじめても、地道に継続すれば必ず能力が上がります。
そろばんが難しくてやる気がなくなった時は?
そろばんは昇級するごとに新しく学習する事項が増えます。新要素についていけなくなり、そろばんが難しくてやる気がなくなった時は、つまづいたポイントを明確にして、ひとつずつハードルをクリアしていきましょう。
そろばんでつまずいて挫折してもその先には光があります。どんなことでも高みを目指していけば壁にぶつかります。そろばんも例外ではなく、挫折して辞めてしまう子が多い習い事のひとつです。
そろばんは、習い始める年齢が幼児~小学校低学年と低年齢ですので、難しさを感じるとすぐに投げ出したくなります。しかし、障壁を越えた先には必ず今までの自分ではない、確実に何かを得た自分になっています。
そろばんを通して得られるものはただ単に「暗算力」だけではありません。「集中力」「想像力」「数字への強さ」など、「右脳」の刺激によって得られるものは計り知れません。
左脳に比べ、右脳には記憶する力が数千倍あると言われています。この右脳を開発することによって学習効率を上げるという点でも注目をされています。そろばん学習者は、漢字を覚えるのが早いとか、他の学習に対しても高い効果が発揮されているのです。
挫折を乗り越えて「そろばん」をする意義は十分にありますので、そろばんが難しくてやる気がなくなった場合は、いま一度、そろばんが持つメリットについて思い出してみると良いでしょう。
※その他、そろばんのやる気を上げる方法についての良い動画がありましたので紹介させていただきます。
<そろばんのやる気を上げる方法>
そろばん6級・3級以外で初心者がつまずきやすいポイント
そろばん6級・3級以外で初心者がつまずきやすいポイントは次の通り。珠算6級よりも先に、つまずく可能性があるため、迷った場合は基礎を見直してみましょう。
5珠の繰り上がり・繰り下がり
例:「2+3」の時に、この段階までに習ってきた知識だけでは1珠足りなくて3を足せない状況になる。5珠を下ろすということを理解するのにつまずく
掛け算
例:桁数が大きくなり挫折/九九が難しくてイヤになる/九九が完璧でも、足し算が疎かになってつまずく
まとめ
この記事では、そろばん6級とそろばん3級が難しい理由と対策、珠算検定6級や3級の取得年齢目安について解説しました。
そろばん6級は割り算や掛け算の難易度が高くなり、つまずく人が非常に多い傾向。そろばん3級では小数点が出題されるため、グッと難易度が上がり、つまずく地点となっています。
そろばん試験でつまずいてしまっても、勉強時間を確保し継続すれば必ず上達・能力アップしますので諦めずに練習しましょう。
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