そろばんと公文はどっちがいいのでしょうか?ここでは、2つの特徴と効果を比較して、どっちがいいのか紹介します。また、両方併用していいのか?両立するのか?などの悩みを解決します。

先に結論をいうと、どっちがいいかは目的によって違います。それぞれ次のような人におすすめです
そろばん教室の特徴とは

参考:日本珠算連盟
そろばん教室の特徴は、日常生活で使う計算能力の向上に重きを置いているところです。
そろばんで身につくのは「珠算式暗算」といって、最終的にはそろばんなしでも頭の中で高速で計算ができるようになる能力です。
珠算式暗算とは、頭の中にそろばんのイメージを描き、そのイメージしたそろばんを用いて珠算を行う技術である。(中略)また、珠算に熟達することで、より素早く正確に、高度な暗算を行うことが出来るようになる。
引用:Wikipedia|暗算
また、そろばんには各そろばん連盟が主催する検定試験があり、上級を取得すれば中学受験に有利になるといわれていたり、履歴書に書くこともできます。

そろばん教室が公文式に勝っているところ
ではまず、そろばん教室が公文式より勝っているところを紹介します。
一生つかえる暗算力が身につく
そろばん教室が公文式に勝っているわかりやすいところは「暗算ができるようになるところ」でしょう。
どっちも計算を学びますが、そろばんのほうが、より計算に特化しているというわけです。
そろばんが上達すれば、TVで見かける「フラッシュ暗算」もできるようになります。
これは中学受験や高校受験のときだけではなく、一生涯つかえるスキルです。


右脳が活性化して、頭の回転が速くなる
右脳が活性化すると想像力が身につき、頭の回転が速くなるといわれており、右脳を鍛えるにはそろばんが効果的といわれています。
珠算式暗算は芸術脳といわれる右脳でそろばんの珠をイメージして計算します。そのため暗算が上達すればするほど右脳は活性化し、鍛えられます。
これは脳トレゲームで流行した川島教授も、そろばんは右脳を鍛えることに効果があると述べています。
「そろばん教室=計算ができるようになる」という結果を見てしまいがちですが、長期的には「そろばん教室=頭の回転が速くなる」と見ることができます。
どっちも学校の成績や受験に役立つ習い事ですが、そろばんは短期的ではなく長期的な、社会に出たあとも役に立つ習い事だといえます。
近年、ソロバン教室では、ビジネスパーソンの必須能力として要求されている最先端の「能力トレーニング」を実践しています。これらは、脳が柔軟な子ども時代に身につけさせたい「能力」のひとつです。
そろばんは受験の先にある「集中力、想像力、咄嗟のひらめき、記憶力を身に付けるための右脳を鍛える脳トレ」として効果が期待されています。
社会に出たあとの柔軟性やビジネス展開などに必要な「考える脳」をつくるのに、そろばんは有効的なのです。
資格を取得できる
そろばんには、各そろばん連盟が主催する検定試験があります。
上級を取得すれば中学受験に有利になるといわれていたり、履歴書に書くこともできます。


また、検定試験は子どもにとっての目標になり、学習意欲(モチベーション)の維持にも繋がります。
目標に向かって努力し、達成することを経験させることができます。
検定試験は積極的にチャレンジした方が上達が早いです。検定試験に向けての練習は自らが意欲的に取り組むため、必ず上達します。
そろばん教室が公文式に負けているところ
逆に、そろばん教室が公文式より負けているところを紹介します。
- 算数の一部や数学には対応していない
- 計算以外は学べない
算数の一部や数学には対応していない
そろばん教室では、算数の公式などは学びません。なので、直接的な受験対策や、小学校にあがった後の予習にはなりません。
たとえば、そろばん教室では文章問題や図形、分数などは学びません。また、そろばんを使うので筆算も使いません。
そろばん教室ではいわゆる「算数」、それも「計算」を中心に学びます。足し算・引き算・かけ算・割り算・小数の計算が中心で、級数があがれば、余りのある割り算も登場します。
そろばん教室も公文式もはじめは足し算、引き算の問題なので、大した差はありません。
しかし、中学校にあがると「数学」が出てきます。どっちも計算ができるようになる習い事ですが、そろばんは数学には対応していないことが多いため、中学校ごろからそろばん教室と公文式の差が生まれるといえるでしょう。
最近は、算数の公式を教えてくれるそろばん教室もあるようです。ただ、非常に稀です。直接的な受験対策が目的であれば、公文式のほうに軍配があがるでしょう。
計算以外は学べない
公文式とは違い、習うことができるのは計算だけです。国語や英語などを学ぶことはできません。
そろばん教室がおすすめな人
そろばん教室は、メリット・デメリットがはっきりしています。まとめると以下のような人におすすめです。
- 日常生活で使う計算能力を身につけたい
- 暗算力、集中力、記憶力を高めたい
- 社会に出てからも長期的に役立てたい
学校の成績や受験、学歴だけではなく、将来的なメリットまで考えている人には「そろばん」がおすすめです。
そろばん教室には、無料体験ができるところも多いです。また、ネット上でいつでも予約できるオンラインそろばん教室も増えてきています。もしどっちか迷ったら、まずは体験授業に参加してみると良いでしょう。


公文式の特徴とは
公文式の特徴は、子どもの年齢・学年に合わせた授業ではなく、子ども一人ひとりの学習ペースに合わせて学ぶことができるところです。
そのため、ほとんどの場合は学校の授業を先取り学習することになります。
公文は「自学自習力」、つまり「自分で学ぶ力」を大切にしており、できるだけ早く高校教材を学習することを目標にしています。
KUMONは、できるだけ人生の早い時期に、「自学自習で高校教材」を学習する力を身につけることが、子ども達にとって、「最も役に立つ」と考えています。
引用:公文式学習とは
これは算数・数学に限らず、国語や英語も同様です。また、公文はプリント形式の授業なので取り組みやすく、学習の習慣がつきやすいところも特徴です。
公文式がそろばん教室に勝っているところ
前述のとおり、公文式は学校の授業を先取りして自主学習します。そのため、学校の算数や数学に強くなります。
公文は代数の計算問題をいかに効率よく解くかに特化してつくられたメソッド
また、そろばん教室で習うのは計算だけですが、計算以外の算数(文章問題、図形など)や国語、英語も学べるところは、公文式がそろばん教室に勝っている点だといえるでしょう。
公文式がそろばん教室に負けているところ
まず、公文式は月謝が高いです。
公文式についてネットで調べて値段を見て「た、た、高ぇぇ〜〜!!」と思った瞬間、「教育は投資です、この内容でこの価格は安すぎるぐらいです、どこに価値を置くか、親の資質が試されているのです」という旨の書き込みを見つけて「う、う、うるせぇぇ〜〜!!」と思いました
— カツ子 (@oraorade59) May 5, 2022
もちろん、そろばん教室のなかには月謝が高い教室もあります。
そろばん教室に限らず、月謝が高ければ高いほど良い習い事というわけではないので、費用対効果の高い習い事を選ぶのが大切です。
また、公文式は学校の授業を先取り学習できますが、その努力を活かせるのは基本的に在学中だけです。
公文式がおすすめな人
- 受験や学校生活で役立てたい
- 学校授業を先取りして学ばせたい
- 同級生より一歩先を進んで有利になりたい
学校の授業を先に学ぶことで同級生より良い成績を取り、受験に役立てたいというのであれば公文式を選びましょう。
どっちも計算を学ぶことができますが、学校の授業を先に学ぶのは、そろばん教室にはできないことです。
そろばんと公文式の両方を習わせるのはNG
そろばんと公文式の両方を習わせるのはおすすめできません。
どっちも習った子どもによく見られる弊害が、筆算で混乱することです。そろばんと公文式では、答えの導き方が違いますからね。
習うのであれば、どっちか片方がおすすめです。
そろばんと公文式の両方を習わせて、両立させることは難しいです。どっちか目的に合うほうを選択するようにしましょう。
そろばんから公文式も、公文式からそろばんも非推奨
そろばんを習ってから公文式を習うのも、公文式を習ってからそろばんを習うのも、どっちもおすすめできません。
その理由は2つあります。
- そろばんと公文式では、同じ計算問題でも解き方が異なる
- 筆算で答えを出す習慣が身につくと、珠算式暗算が身につきにくい
そろばんと公文式では、同じ計算問題でも解き方が異なる
そろばんと公文式では、同じ計算問題でも計算の過程が異なります。どっちも習うと、混乱の原因になってしまいます。
そろばん | 珠を弾いて計算して、珠の配置で答えを出す |
---|---|
公文式(学校) | 筆算を使って、公式にならって答えを出す |
そろばんを習得すると、筆算を使って計算するより先に、そろばんのイメージが頭の中に浮かび、何も書かなくても計算できてしまいます。
そのため、公文式のように筆算を使って問題の解こうとしても、筆算を使って計算する前に答えが出てしまうため、問題の本質が理解できず混乱してしまうのです。
脳学者の先生と対談したとき、「私、計算は苦じゃないけれど、灘中の問題はめちゃくちゃ頭使います」と話したら「計算のときは頭を使っていないんだろうね」と言われました(笑)。その話の流れから、先生も「公文とそろばんでは脳の鍛える場所がちがうんでしょうね」と。
このことから、そろばんと公文式は併用するのではなく、どっちかに片方だけを習うのが効率的だといえます。
筆算で答えを出す習慣が身につくと、珠算式暗算が身につきにくい
公文式を習ってから、そろばんを習うのはおすすめできません。「珠算式暗算」が身につきにくいからです。
たとえば、「10+10」という計算をするとします。「20」と暗算でパッと答えを出せる程度の問題ですが、頭の中では無意識的に計算がおこなわれています。
しかし、そろばんの場合、先に暗算で答えは出さず、そろばんの珠を頭の中で弾き、珠の配置で答えを出します。そのため、数字の桁数が増えたとき、頭の中で無意識的におこなわれる計算が、珠算式暗算で答えを出す邪魔になってしまいます。
公文式や学校の授業のように筆算を主体とする計算方式で問題を解く癖がついてしまうと、頭の中で「筆算」と「そろばん」が混在し、「珠算式暗算」が身につきにくいのです。
やって良かった習い事
そろばん
数字の概念、計算を覚える前にやるならオススメ。逆に公文等で習う通常の教えを受けたあとのそろばんはオススメ出来ない。理想は幼少からやるのがベスト。良かったと実感するのは小学校に上がってからで算数の授業でアドバンテージをとれた時。コスパも良い。— カッチン@たたた勢 (@ramusansan) April 16, 2022


そろばんと公文式のメリット・デメリットまとめ
- 一生涯つかえる暗算が身につく
- 頭の回転が速くなる
- 資格を取得できる
- 月謝が安い教室が多い
- 算数の一部や数学には未対応
- 身につくのは計算のスキルのみ
- 先取り学習で学校の授業に強い
- 直接的な受験対策になる
- 算数以外の科目も習える
- 学習の習慣がつきやすい
- 月謝が高い
- 努力を活かせるのは在学中のみ
この記事のテーマは「公文とそろばんどっちがいいのか」でしたね。
そろばん教室にも公文式にもメリット・デメリットがあります。どっちがいいかは目的によって違います。
学校の成績や受験、学歴だけではなく、将来的なメリットを考えて習わせるのであれば「そろばん」がいいでしょう。
学校の成績や受験、学歴が目的であれば、公文式のほうが向いています。
子供にそろばん習わせとけばよかったな、とつくづく思う。学校でもほぼしないしなぁ。
— ぷっさん (@pussan7312) May 13, 2022
私も自分の子どもには、卒業後の将来のことまで考えて「そろばん」を習わせています。通塾・送迎の必要がないオンラインの「よみかきそろばんくらぶ」というそろばん教室です。
どっちも習い事である以上はお金もかかりますし、子どもが賢くなってほしいという思いもあるでしょう。そろばん教室も公文式も無料で体験できるので、どっちにしようか迷っている方は、両方とも体験してみることをおすすめします。
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